Systemtap を使用してみたので覚え書き。
Systemtapでは、動的にカーネルモジュールをカーネルに入れ込んで、OSの様々な状態を監視したり、変更したりすることができる仕組みを提供しています。よって、本当に使いこなすにはカーネルの仕組みを知っている必要がありますが、Systemtapをインストールするとサンプルコードが一緒にインストールされるので、まずはこれを使用してみます。
Systemtapを使用するには、systemtap や systemtap-runtime というパッケージ以外に、kernel-debuginfo や kernel-debuginfo-common といったパッケージが必要になります。前者二つはインストールメディアにありますが、後者二つのdebuginfo関連のパッケージはインストールメディアには含まれていないので、別途RedHat社のWebページからダウンロードしてくる必要があります。
RHEL5.5 (x86_64) の場合、debuginfo ダウンロード先は ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/5Server/en/os/x86_64/Debuginfo/ となり、現在使用しているカーネルと同じバージョン(RHEL 5.5 のデフォルトは2.6.18-194.el5) のkernel-debuginfoとkernel-debuginfo-commonをダウンロードし、インストールします。
※kernel-debug-debuginfo パッケージはkernel-debug の debuginfo で違うので注意
# rpm -ivh kernel-debuginfo-2.6.18-194.el5.x86_64.rpm kernel-debuginfo-common-2.6.18-194.el5.x86_64.rpm
これで準備完了です。あとは、サンプルを動かしてみます。サンプルは、/usr/share/doc/systemtap-1.1/examples/ ディレクトリにありますが、全部がそのまま動くわけではないようで、今回は動きそうなサンプルの profiling/sched_switch.stp を使用してみます。ファイル名より、プロセスのスケジューリングのスイッチを監視することができそうです。
実行は以下のように行います。
# stap sched_switch.stp
実行すると、以下のように(おそらく)プロセスのスケジューリングが実行される度にログが出力されました。(ssh経由で実行しているので、sshd プロセスがよく働いているようです。
stapio 012851431516428483873650:115:S ==> 2578:116:R sshd sshd 012851431516429846632578:16:R + 3650:15:S stapio sshd 012851431516429908652578:116:R ==> 3650:115:R stapio stapio 012851431516430375163650:115:S ==> 2578:116:R sshd …